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タマちゃんと景気刺激策

 あのアザラシのタマちゃんが、埼玉県内に出没して話題を読んでいる。
 いや、タマちゃんかもしれないということで、「さいタマちゃん」と呼ぶそうだ。

 この手の話題はしばらくすれば忘れられがちなのだが、昨年の8月から断続的にニュースを提供していることを思えば、なかなかのロングセラーである。さぞかし、マスコミ各位は番組構成上大助かりだろう。
 実際、注目を浴びるだけの存在であり、すでにコンクリート護岸しかなくなった首都圏の水辺にいるだけでも十分な説得力がある。いやな言い方をすれば、自然のほうが多い地域では住めなくなった連中の溜まり場が都会だ。そこにアザラシがやってきたということは、「自然界からはまだ遠い所ではないぞ」というお墨付き?をもらったような気分になれるのだろう。同じく首都圏の埼玉にきても、見物客がこぞって訪れるという。もうひとつには、横浜だけでなくうち(埼玉)にも来てくれたという安心感、それ以上に劣等感からの解放もあるのかもしれない。

 ともかくも、タマちゃんとその同属は世間の注目を集める特ダネ、キラーコンテンツである。横浜市西区がわざわざ彼(彼女?)の住民票を発行したのは有名だし、居住地であった同区の帷子川はいっきに全国規模の知名度になり観光地?にもなった。ということは、今来ているとされる埼玉県越谷市だって「ラッキー」と思っているし、町おこし材料に欲しいと思っている市町村は多いはずだ。
 アゴヒゲアザラシの容貌は、少し前にはやった「癒し」を呼び起こすというのか、なんともいえない可愛らしさをしている。さらにいえば、世間の苦痛を忘れさせる効果もある。連日のマスコミの対応を見ていると、この「タマちゃん」ネタが暗い話題の合間に、まさに休憩を取るように使われているように思う。セックスやスポーツなどの、快楽系とは全く違う位置付けで。

 暗い話題とはいうまでもなく、戦争や不景気(日本だけでなく世界的な)のことだ。
 日本の不景気といえば、「じつはまだ金持ちだろう」「いや、知らない間に資産がなくなっている」というさまざまな答えが返ってくるように実感がわかない人も少なくない。
 東京FMの朝番組モーニング・フリーウェイで「日本人ってお金持ちなの」という話題を扱っていた。在日外国人からの答えのほとんどが、「日本人の貯蓄好き・消費べた」を指摘しており、いかにもと思わされた。彼ら特に欧米人は遊休資産があったとしても、旅行にいくとか、それでも余れば株や多少なりとも流動性の高い運用をして、できるかぎり金を使うようにしている。
 日本人というのはもともと消費が苦手な部類で、いざ不況や不作になってみれば復調までに時間が掛かりやすい難点がある。つまり、お金や物を出すのを渋り、さらに自分を含めて収入が伸びにくくなるのだ。いわゆるデフレ・スパイラルの癖がある。アメリカのようにニューディール政策とか金融工学とか、金を回しすぎる発想もどうも危険だが、少しは見習ってもいいと思う。

 その「お金を出したくなる気分」をつくる大きな存在がマスコミだ。広告宣伝に情報記事や番組の提供はもちろん、イベント効果で消費喚起することがある。

 古くから何らかのイベントで消費喚起をすることはおこなわれていて、最たるものは江戸の遊郭である、吉原の炎上がそうともいわれる。自然出火、放火いずれにしても、普請(建設)需要が増えるし、臨時営業を理由にして格式を外した低価格設定ができるから儲かる。なにより世間の話題となり、それまでの重圧感や景気の悪さを忘れさせてしまう。もちろん、亡くなった遊女や客はたまったものではないけれども。
 とすると、先述のように「タマちゃん」は、不景気を忘れさせるアイテムとしては格好ではないだろうか。定期的に彼(彼女?)がクローズアップされるのも、広告代理店あたりの画策かもしれない。これはなかなか支持したい。金融政策とか企業努力、ジャパネットたかたあたりの奮闘だけでなく、間接的な景気浮揚策も肝心だ。

 これは考えすぎかもしれないが、あの「タマちゃん」捕獲に乗り出した連中は景気浮揚を恐れた勢力の回し者だったりして。実際、対抗策として政府は、アザラシの捕獲には都道府県知事の許可を必要とする鳥獣保護法の改正を行った。(本年 4月16日より適用)。
 現代版の吉原炎上が「タマちゃん」といえる。

 …んなわけないか。めちゃくちゃや(笑)。

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