« タマちゃんと景気刺激策 | トップページ | 戦争の怖さしか教えない教師達 »

右へならえ

 今年5月の、ある日の横浜スタジアム。
 レフトスタンドの阪神ファンは試合開始を待ち望んでいた。
 ようやく先発選手の発表が始まり、タイガースの選手名が呼ばれるごとに喚声がおきる。ところが、このあと後攻・横浜ベイスターズの先発アナウンスに移った時だ。彼らはことごとく鳴り物応援を続け、9番ピッチャー吉見のアナウンスが終わるまで大音響をやめなかった。本拠地チームの横浜関係者に対して、あまりにも失礼な態度である。阪神ファンであるはずの私も、おもわず向こうに見えるレフトスタンドに向かって怒鳴ってしまった。「この礼儀知らずのボケが!」
 この前日の同じカードで渦中のレフトスタンドに座ったときにそういうことはなかったし、同じ横浜スタジアムのレフトスタンドの巨人ファンも、あるいは同じ関東のレフトスタンドである神宮球場の阪神ファンもそんなことはしない。とすると、応援団リーダーの一部が間違えて応援を続けてしまったのに、周りのファンも引きずられたのだろうか・・・まさに「右へならえ」状態である。

 ちかごろ、特に金融と情報産業方面で、さまざまなルールが作られている。
 会計制度、回線貸し出し料金の無謀な値下げなど、いかにもアメリカあたりの圧力に屈したとしか思えない『改革』が行われているように思えてならない。

 たとえば(株式など有価証券の)時価会計制度。正式の会計制度として取り入れた国は日本ぐらいしかないそうで、英仏独などはそれぞれ別の会計基準をもって厳しくやっているらしい。現行の会計制度では、有価証券は取得時価格で帳簿に計上されている。それを株価が下がっている今、持っている株式の価格を市場(証券取引所など)の時価で計算しなおすと、ほとんどの会社が資産減となり破産が続出するのは確実である。
 破産状態にして安く企業を買う。リップルウッドなどの米国系に代表される買収ファンドにとっては、時価会計の導入はまさしく追い風だ。

 なんでいまさら、時価会計を飲まされるのか・・・それこそアメリカの利益?に「右へならえ」である。そもそも、バブル期までに日本型会計制度の矛盾に気が付いておけば、額面で計上する制度に変えたりできたはずだし、対策を考えておかなかったほうが悪いといわれればそれまでだ。それがデフレ化で証券価格が下がった後に変えるというのは、どこの利益で物事を判断しているのか・・・

 政治家各位が、圧力その他を党派を超えながらも上手くかわしつつ、日本のために働かれていることは言うまでもない。私が気になるのは、かならず一方的にどちらかを応援しているマスコミの存在であり、それが人々の善悪判断を大きく左右していることだ。この場合マスコミに対して「右にならえ」している一般国民といえるだろうか。
 「永田町の抵抗勢力」や「銀行」「NTT」は悪いと報道いや宣伝されているが、これが本当かどうか検証してみた第三者(一般国民を含む)はいるのだろうか。たぶん検証できる人は少ないと思う。なせなら、裏の話題がテレビや新聞に流れにくいの当然だし、違うことを言っているニュースソースと比較してみて個人で判断していくのが精一杯だからだ。だから、せめて大新聞同士で、擁護や非難などそれぞれ別の視点を言ってもらえばありがたいのだが(企業広告等が収入源のテレビ局には期待できない)、さきほどの時価会計と情報産業系の話題については、なかなか違いを出してはくれない。仮に一方の価値観が多くを占める国民が投票権を握っている格好なったとすれば、政治家各位の努力が阻害されることもあるだろう・・・マスコミ各社同士で「右へならえ」を行っているのだろうか。
関連記事・テレビ局はなんで竹中批判をしないのか』-リンク先6月8日版を参照
 ※もっとも最近の情報産業界でいうと、「ソフトバンク」などは弁護できないぐらい業績が悪くなっているので、ようやく報道内容にもバランスが取れてきている。

 「右へならえ」の対象が、長い伝統の中で自然風土やその他にあわせていったような習慣であれば、それでも良いと思う。だが、しっかりとした検証がないうちに、急に出てきたルールにまで「右へならえ」してしまうのはどうだろうか。あの横浜スタジアムの阪神ファンのように、『群集心理』で物事の判断をするのは避けたい。

 今度は神宮球場レフトスタンド。
 先発アナウンスの応援大音響は、スワローズの2番ショート・宮本選手あたりで鳴り止んだ。止めて相手方アナウンスを待つ態度があれば良く、多少ずれ込むのは仕方がない。
 ところが、今度は喫煙者が目立つ。確か神宮球場のスタンドは全面禁煙だったはずだし、横浜スタジアムでも東京ドームでも喫煙者を見たことがなかったのだが。
 と思って回りを見渡すと、全く吸う者がいない時間帯と、複数がいっせいに吸っている時間帯のいずれかである。…つまり「右にならえ」である。吸っている奴がいるから俺も吸う。その場で出てきた慣習に従う、良い意味でも悪い意味でも「郷に入っては郷に従え」精神だ。

 まあ、実状に合わないルールを押し付けられても、現場の運用でしっかり骨抜きにできるのも日本人の長所だといえば、代えがたい強みではある(笑)。

|

« タマちゃんと景気刺激策 | トップページ | 戦争の怖さしか教えない教師達 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17330/864255

この記事へのトラックバック一覧です: 右へならえ:

« タマちゃんと景気刺激策 | トップページ | 戦争の怖さしか教えない教師達 »