自殺か他殺か
日本テレビ系のドラマ「彼女が死んじゃった」で真に迫るセリフを聞いた。
香川照之氏扮する吉川良夫が言った、このような内容だったと思う。
『自殺率が高い3カ国は、ロシア、フィンランドそして日本。一番低いのはメキシコだけど、逆に殺人が(比率として)最も多い。殺人できる人は自殺しないんだろうね・・・もし、”ゆかり”が殺人できたら・・・』
”ゆかり”とは吉川の片思い相手で、木村佳乃さんが演じている。彼女の自殺でドラマが始まった。あらすじはともかくとして、『殺人できる人は自殺しないんだろうね』という部分が重要なポイントだ。
自殺に他殺。いずれも自己を取り巻く環境への絶望が動機となる。
違う点は、実行する本人が「鬱(うつ)」「躁(そう)」のどちらの気性が強いかである。わかりやすい例をあげれば失恋した男女がとる行動で、内面的で従順なタイプ(=鬱)なら、落ち込みやストレスが行き過ぎると自傷・自殺に走る。逆に外交的でカッときやすいタイプ(=躁)なら、物でも人でも何かに当り散らそうとし、度を越えれば傷害・殺人と他者に累を及ぼす。
とすると、今の日本人に自殺が多いというのは非常に納得できる。元々、「和をもって尊し」つまり、自ら態度を退いて事を納める精神なのに、ここ 10数年で、主張のやり合いや競争こそが最上とうたう、(アメリカやユダヤ系?の)グローバリズムが押し寄せてきているからだ。取り巻く環境と自分が慣れ親しんだ態度とのギャップで追い詰められた結果が、自殺だ。
進んで残業してみたら、そのまま働かされ続ける。(女工哀史とかよりひどい。連続徹夜もあるから。)金融や情報系にみられる、アメリカ経由でのルールの押し付け・・・もっとも、もともとがお勉強生活への従順さを売りとした人材が多くあつまる官僚界ぐらいが例外らしいが、それでもまともな人材が国家Ⅰ種に受かって入省してしまうと、狂いだすの関の山だ。(従順だけではない人材を得るために公務員俸給を高くするのは一つの策だと思う。天下りや年金で補償するよりはマシや。)
逆に、他殺と思われる事例をあげておく。
2002年10月12日、AV女優の桃井望さん(当時24歳)は同じ歳の元交際相手・酒井宏樹さんとともに車の中で焼死体となって発見された。場所は彼女が少女時代を過ごした長野県伊那市に近い、同県塩尻市の河川敷である。
同じくAV女優からスカウトに転じた小室友里さんが、男による無理心中(=他殺)説をとっている。以下、彼女の感想記事から引用する。
事件の真相は明らかになっていません。あくまで私個人の仮定「元カレに殺められてしまった」として話を進めていくことをご了承いただき、読んでもらいたいと思います。 別れたのだからもう関係ない。と思っているのは、おそらく女の側だけです。裸を売り、性を職業とする女の勝手ないいわけ。男はそんなに単純じゃない。半永久的に心に残り続けるのです。「自分と付き合った女があんなことに」と。それは心のヘリにこびりついてなかなか取り除けない。二人で過ごしてきた時間が、想い出のすべてが、男を傷付け、足かせとなります。 (中略)
性の対象になる、ということは、必ず他の誰かを傷つける、と同意です。恋人、両親、兄弟、友人。自分が知らないところで誰かが泣いている。それは紛れもない事実です。それがどういう方向に向くかは、私にもわからない。もしカレが、気持ちをうまく処理してくれなかったら……。包丁を1度や2度、向けられていることだってあったでしょう。 仕事をしないで、と言っているのではありません。性に関わる仕事をするのであれば、周囲に対する覚悟と責任を持ってしていただきたい、と切に思うのです。
仮に男が(女かも?)躁傾向でなかったとしても、この状況だと、両者のいずれかが鬱傾向であれば自殺を図っただろう。いずれにしろ、結果は同じだったのかもしれない…
ストレスを溜め込まないことも必要だし、恨みを買わないことも必要。自殺であれ他殺であれ、死の危険はどこからやってくるかわからない・・・
そこまでの心理作用を発生させる行動をおこすなら、余程の覚悟があってからにすべきだ。まさに小室女史の言う通りである。
私と同じ歳ながら、経験の深さに感心した。
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