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サークル活動と情報戦

  カテゴリは「恋愛」にしたけれども、ビジネス指南書にもなるだろう。
 家族にせよ、会社にせよ、二人以上の人が集まれば社会が出来上がるわけで、知らないことと知っていることとの差が間に生まれる。知るものがその他に教え、あるいは知らざるものが習い盗み取り、そうやってその社会集団の常識が形作られていく。

 学生時代、特にサークルの『常識』といえば、誰と誰が付き合っているかという「人間関係図」が中心ではないだろうか。その前の中高時代とも、その後の社会人時代とも違う、純粋に男女関係がどうのこうのといった恋愛話である。
 30人規模のサークルがあったとすれば、必ず噂好きの情報屋がいて、そいつにばらすと瞬く間に話が広まり、真偽の別は関係なく集団の『常識』となってしまう。何かの用事で二人きりでお茶しただけで『アイツはできてるわ』と言われたことは、多くの人が経験したことだと思う。逆に情報屋から頼みもしないのに、誰と誰が付き合っているなどの噂を吹き込まれることもあったはずだ。
 情報屋がやり取りする話が全て真実であればよいが、時には自分の立場を陥れるような内容であったりする。そうならないように、「アイツには話すな」などの自分の身を守る常識が浸透するわけだが、情報屋の動きを自分のために利用する賢い人も出てくる。
 仮に、その賢い人に私がなってみたとしよう。ある女性Aと私が仲がいいという既成事実を作り、他の男を彼女に寄せ付けなくする意図で会話を進めたい。

 近藤:おい、最近いろいろ悩みがあんねん。
 情報屋:何や、お前らしゅうない。いつもうるさい奴が。
 近藤:勝手に悩みのないアホあつかいすんな。実はな…
 情報屋:フムフム。
 近藤:こら、その教育番組のキャラみたいな相槌はなんやねん。まあええわ。
 情報屋:それからそれから?
 近藤:俺は「おにいさん」と違うわ。やめとけ。
 情報屋:わかったわい。で?
 近藤:打ち上げの後、Aさんとな波長が合うてしもうて、そのまま朝までつき合うてもろたんや。
 情報屋:おおー、お前やるなあ。「近藤はAを食うた」と、メモメモ…
 近藤:アホか、誰もそこまで言うてへんぞ。ほんでな、お前これどう思う?
 情報屋:そこまでいったら、Aに気ィあるんと違うか…
 近藤:やっぱ、そう思うやろ・・

 この話(あくまで作り話だが)、私とAはともに終電に遅れ、他の2、3人とともにカラオケと深夜喫茶で夜を明かしたに過ぎない。波長が合ったの事実でも、ホテルへ持ち帰りに成功したわけでもなく、「やむを得ず」の範囲で収まる状況だ。嘘はついていない。しかし、情報屋は瞬く間に話を広げて周囲にばら撒く。『近藤はAと出来ているらしい』と。
 そのうち、私とAの関係が既成事実となり、ほかの男がAを敬遠するか、もしくはAを狙っていた男が浮き彫りになってくる。自分で広めていればただの妄想と捉えられかねない話でも、第三者である情報屋が広めてくれれば信用度も増し、状況にも変化がでて対処がしやすくなるのである。

 実は、一般社会でも同じ構図がとられていることに気づく。意図的に情報屋を務めているのが、民間であれば広告代理店。公的機関であれば米国の CIAやNSA、英国ならMI6、イスラエルのモサドなど、自分たちや顧客に都合のいい情報が、『常識』になるよう日夜努力している。第三者の信用をつけたければ、各マスコミやさまざまな批評家、タレントなどの発言力のある人物を巻き込めばよい。さらに、かき集めた個人情報で対象となる集団を限定しておけば、ますます効率があがる。つまり、意図と対象が明確になった時点で情報屋は広告マンや諜報員に進化する。
 それが、善意や公共の利益になるよう動いていればよいが、なかには悪意で情報工作をするものがいるだろう。いや、民間公共の違いに関わらず、一定の割合で悪意の工作者は存在する。それを見抜く力をつけるのも情報戦の重要なかぎであり、広告宣伝行為があふれている以上、身を引き締めねばならない。

 ますます、面倒くさい世の中になったと思わずに、まずは身の回りから体感して学ぶのが近道だろう。その適所としてサークル活動をあげてみた。もちろん学生、社会人をとわないし、なによりも自分の社会地位が奪われる可能性が低く、訓練にはうってつけだ。
 ただし、先述のように情報屋を通じた意図的な宣伝をして、場を荒らすのはお勧めしない。あくまで、自分の身を守るための情報判断力をつけられるよう願う。平和がイチバン!(by猪木氏)

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