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イラク人質と自衛隊撤退キャンペーン

 めずらしく、マスコミが総出で小泉政権(≒米国政府)を批判していた。人質解放を理由として、大体的に自衛隊撤退を叫んでいたからだ。
 特に高遠菜穂子さんや今井紀明さんが絡んだ最初の事件では、自作自演の疑いが強まっている。犯行声明の日付がアラビア暦で書かれていなかったり、日本のことしか言及していない上に広島長崎原爆の話まで出てくるなど、どうも日本人の反戦活動家、つまり被害者のはずである彼ら自身の主張かと思われる節が多い。それを悟ってか、一般のマスコミとは逆にネットコミュニティでは、痛烈な被害者側?への批判が繰り広げられている。彼らの家族が、加害者であるはずのテロと同じく「自衛隊撤退」を主張していた矛盾も突付かれた。
 真実はともかく、日本のマスコミが「イラクで邦人拉致」を報道しつづけた事実は動かない。それで、浮き彫りになってくるのは、マスコミの二つの意図である。なぜここにきて、小泉政権(≒米国政府)に対して批判に転じたのか。
 ひとつは、自作自演を疑わずに拉致と報道したこと、厳しく言えば誤報であった恐れを隠すために、自衛隊撤退キャンペーンを強めた。もうひとつは、赤坂の某国大使館などから睨まれて批判したくてもできなかった連中が、大義名分(いや計画どおりに)を得て小泉批判に転じた…。
 さらに後者は、報じ得るネタが増えたと純粋に喜ぶ「射利目的」である場合と、これを機に米国追随を糾そうとした良い意味での「ジャーナリズムの昂揚」とに分かれる。ジャーナリズムの昂揚であれば喜ばしい。本物のテロや自作自演の圧力を理由にして自衛隊を撤退させるのは筋が通らないが、自衛隊派遣そのものには懸念がある。そろそろ批判勢力が息づいて、均衡ある議論と判断ができる状態になって欲しかった所だ。
 反戦活動家の自作自演という仮説に基づけば、まさに彼らの思い通りということ。やり方は稚拙だったが、それ以上にマスコミの分析能力が稚拙だったおかげで、少しではあるが日本の世論が自衛隊撤退サイドに傾いた。ただし、自作自演を疑った者を除いて・・・これで、世論が悪い意味で二分しなければよいのだが。

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Winny、SoftEther、便利なものほど危険な時代

 最近、仮想ネットワーク(VPN)構築ソフトウェアがはやっている。手持ちのパソコンにソフトをインストールするだけで、お互いの接続環境が異なっていたり、その間にファイアーウォールなどがあったとしても、あたかも専用ネットワークが形成されるという代物だ。"SoftEther"が代表例だが、"Winny"、"WinMX"などのファイル共有ソフトもその一種とみてよい。(VPN=Virtual Private Network=仮想ネットワーク、仮想専用回線)
 家族や恋人同士しか見せたくないデジカメ写真のやりとりとか、わざわざ専用線網を用意する資金もサーバ構築をする余裕もない中小企業が、事業所間の連絡につかうなど、VPN構築ソフトの用途は広い。ともかくもソフト(しかも現在は無料版のみ)をお互いに入れてやれば専用ネットワークができるのだから、わかりやすい。非常に便利なものをつくったものだと、"SoftEther"の開発者には感謝したいし、また一つの優秀な技術が日本から世界にはばたくことになるだろう。
 だが、便利には落とし穴がある。悪用もできてしまうからだ。
 やり取りするデータをPC上で暗号化してしまうのが、これらのVPN構築ソフトに共通する特徴だ。すると、対象のデータが一般のネットワーク上に流れた時には、暗号化されたWebデータ、つまりInternetExplorerなどでやり取りされるパスワードとかと同じように扱われるので、VPN構築ソフトのデータだけをファイアーウォールで遮断することは難しい。つまり、VPN構築ソフトさえ入れてしまえば、企業内の機密情報を簡単に外部へ持ち出すことが可能になる。
 2ちゃんねらーを中心に流行のファイル共有ソフト"Winny"は、その特徴が裏目に出たらしい。仮想共有機能が悪用され、ほぼ全ての導入者に対してデスクトップ画像公開ウィルス(通称:キンタマウィルス)が送り込まれたという。(京都府警とかにも感染したとか…)

 職業上もあって周囲には注意しているが、「便利」「安い」を兼ね備えるものは気をつけたほうがいい。
 先日、400万件を越える漏洩事件を起こしたYahoo!BBなどは、売上の何倍もの営業経費を使う大赤字経営である。情報管理への資金不足だけでなく、不安定なサービスに対するお客様の怒りをモロに受けた、サポートスタッフの離反(=情報持ち出し)でもそのツケが出てしまった。(レンタルモデムを担保にして資金を借りているため、債権者となる複数社への個人情報提供を規約で謳っている時点で既におかしい。これも大赤字のツケ。)
 とはいうものの、特に無理を重ねてきたYahoo!BBに顕著な不始末が生じただけで、他のインターネット系各社も同じような悩みを抱えている。今後、同業他社はおろか他の業界にも似たような事件が起きてもおかしくない。(事実、この日までに、アッカ・ネットワークや日本銀行!でも不始末が発覚した。)

 このような暗い話題は、言う人が少ないから私が言っているだけである。明るい話を優先したいのが本音だ。気が付けば、万事につけて一度は疑う癖のついた、自分が悲しくなることもある。
 技術の発展は華々しい面だけではない。自然環境だけでなく、人間環境というものをも犠牲にする。わかっていても複雑な心境は隠せない…。
 

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強いもんの味方(阪神よりメジャー)

 縁あって、阪神タイガースとメジャー2球団の試合を観た。特に3月29日の対ヤンキース戦勝利は、友人達と大いに盛り上がったものである。開幕前ということもあって主力野手が途中で抜けたり4番手以降の投手が先発したといっても、勝ちは勝ちである。赤星のセーフティスクイズなど日本野球らしい側面も見せつけた。
 ところが、マスコミ各紙の見出しは…

 『松井活躍』

 ハァ?おまえら、どこの味方しとんねん!!私は怒鳴りたくなった。
 長嶋茂雄氏の五輪監督復帰を祈るぐらいなら、日本野球の前進を祝っても良いはずだ。なのに東京発の情報はまず松井の安打を取り上げる。こうなるとはある程度予測できてはいたけど、頭にくるものは頭に来る。
 そらそうだ。どちらが金になるかを考えれば理解しやすい。いや、どちらが安全であるかを考えてもわかりやすい。
 経済の面では、関西地区を除く全国レベルでは「日本球団の対ヤンキース勝利」より、「メジャーの松井が活躍」のほうが共有しやすい話題だから、彼が出演するCMなどの効果波及を考えてもプラスが多い。なにより、この前日に巨人がヤンキース(ただし投手が主力級で、野手も最後まで主力が出場)に負けたので、いまだに多いジャイアンツ党の神経を逆なでしなくても済む。要は支持者の多いほうが勝ちであり、何よりもマスコミにとっては絶対的存在・出資者であるスポンサーの意向に沿うことにもなる。
 安全の面では、関西人よりも怖いアメリカ資本の収益活動に敵対しないほうが無難だということになる。地域球団でしかない阪神タイガースよりも、(自称)世界球団であるヤンキースの味方をしておかねば、後々でさまざまな圧力をかけてくるかもしれない。それは政治などの別ルートかもしれないし、あるいは別の機関かもしれながいが、下手をすれば身の危険も生ずる。アメリカに圧迫をうけているのは、ほぼ全ての業界だといってよい。ジャイアンに脅し続けられているスネオのような立場だ。
 そう思って、あらためてスポーツ各紙を読むと、阪神球団とは縁の無いサンケイスポーツが、

 『歴史的大金星・阪神

 と掲げてくれている。しかも一面の見出しがこれだ。

 世の中しっかりした連中も少なくない。正直、ホッとした。

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