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オールスターをすっかり忘れていた

 横浜の東急ハンズで、傘補修材と無添加せっけんシャンプー、リンスを購入。衝動買いでシークワーサー100%ジュースもこれで焼酎の水割りが楽しみ・・・などと思って自宅についた7月10日の夜。帰ってきて今日がオールスターゲームだったことにようやく気がついた。そうか。一連の合併・再編騒動で、プロ野球そのものの存在を忘れていたらしい…。

 プロ野球の立ち回り自体にアホらしくなっていた。長らくの阪神ファンだから余計にそう思うのかもしれないが、プロ野球が単に野球好きの面ではなく、愛郷心とか、地域によらない愛着心の延長で成り立っていることはいうまでもない。

 この「愛郷心」を、経営者側も選手側も忘れているように感じたのが、アホらしさの原因である。

 もちろん愛郷心だけでは収益には結びつかない。優勝できるだけの戦力を整え、よいプレーを見せたり人気のある選手、立地条件がよく見やすい球場を獲得するなどを用意する経費が必要だ。そのうえで、売上(入場料、放映権料、グッツ売上、商標使用料…)を冷静に考えた、興行としてのプロ野球企業体が存在する。
 ざっと考えてみればこんなところだけど、今回の合併騒動は、経営者の危機感と選手・ファン側の愛着心がかけはなれて大きくなったものだろう。
 読売のナベツネ氏とかオリックスの宮内氏などの経営者は儲からないと思う圧迫感から、「せめてパイにありつく同業他社を減らそう」と一球団あたりの収益を上げる方向に傾いている。一方の選手や観客はこれまでの体制とチームの歴史に対する愛着心からこれに反発していると見える。私自身も心情的には2リーグ12チーム制か、それが無理なら韓国台湾を巻き込んでアジアリーグでもやってくれとの思いだ。
 だが、いまの社会はあくまでも資本主義、つまり資本=元手を出した株主が経営の決定権を持つようにできている。その株主とは各チームの親会社である読売新聞、オリックスや阪神電鉄などがそれにあたる。極めて悔しいが、現行制度のままでは選手やファンに一切の決定権がないのだ…

 ただし、選手は「社員」ではない。各チームに野球技術の提供を契約する個人事業主である。
 チームに移籍交渉権があるなど、いろいろな制約はあるものの、彼らがチームに見切りをつけるときは「退職」や「解雇」ではなく、契約の解除なのである。で、こういう論理にすれば選手の主張は通るのではないだろうか。わかりやすい例として中村紀洋選手をあげる。
 「5億円の年俸(野球技術の委託料)は放棄する用意がある。年俸が安くなってでも合併しない球団(つまり大阪にもこだわらない)でやってみせ、チームの数も減らさないつもりだ。」
 選手たちにはこの覚悟があるのだろうか。その売上と経費(選手への年俸)に不釣合いが生じたのが今回の合併騒動の主原因だ。近鉄やロッテが効果的なファン増大策や財務改善策もとらなかった(名義売りは読売オリックスあたりに妨害されたとの噂があるが)のは間違いなく事実だろう。しかし、大阪や千葉に本拠地を置きつづけること自体が人口バランスに合わないという根本原因を、早いうちに何とかできたのではないだろうか。現にサッカーJリーグのベカルタ仙台やアルビレックス新潟、プロ野球でも北海道日本ハムファイターズなどが、地方分散の好況をみせているではないか。

 最初の話に戻るが、まだまだプロ野球は「愛郷心」を生かすことを忘れている。
 生かした好例をあげておくと、阪神タイガースに人気がある原因の一つも「愛郷心」の活用で、選手に関西人が多い。最新のスタメンでいくと、今岡(兵庫)、赤星(愛知)、片岡(京都)、金本(広島)、檜山(京都)、アリアス(アリゾナ)、矢野(大阪)、藤本(兵庫)、井川(茨城)と関西系が5人。捕手が大阪出身の矢野だから、共通語は大阪系関西弁だし、なにより岡田監督が大阪市玉造出身である。案外、この球団は地元志向に配慮している。(東京出身で早大卒の新人・鳥谷敬選手にレギュラー争いで勝った、兵庫出身の藤本敦士選手への礼賛にも愛郷心がうかがえる。鳥谷には気の毒だが、実力の差であることはいうまでもないし、このお陰で藤本グッズは飛躍的に売上を伸ばした。上手い商売や。)
 となると、申し訳程度に地方開催をやるような、オールスターゲームなどアホらしゅうて見てられない。勝負がかかるリーグ公式戦のテレビ中継は東京球団である読売に集中、大学野球などは山口県の東亜大学や仙台の東北福祉大がどれほど頑張ろうと、東京六大学が注目をあびる・・・この体制が何十年も続いてきた。
 高校野球がなぜ人気を失わないかを考えればわかるだろう。まさに「愛郷心」である。ただでさえ中央集権が続いたなか、東京近辺をのぞく地方(日本の人口の7割強)は我が故郷の活躍をすなおに喜ぶことでカタルシスを得られるのだ。そんな単純なことを忘れ、大都市圏集中を是正しきれなかったプロ野球はついにここまで来た。(日本ハムはえらい)

 はやく気づいてくれ。
 そうそう、ナベツネ氏も近鉄買収をぶちあげたライブドアの堀江氏もともに、東大文学部のご卒業。同じ学部の大先輩・正岡子規氏を立てるためにも、四国は松山坊ちゃん球場へ本拠地移転というのはないだろうか?となると、しばらく投資は必要だろうな…そこまでの覚悟がないと売名行為やといわれるよ堀江さん。(あ、そうか。どうせ買えないから手をあげたのか…なら、ホンマに売名行為やな。だから運営が難しい大阪残留なんていえるのか・・・つい、深読み)


 ※わが国のプロ野球団多かった頃、フランチャイズ制が実施された昭和27(1952)年当時の本拠地を参考までに書いておく。東から順に並べてみた。

 セ・リーグ
  読売(東京)、国鉄(東京)、中日(名古屋)、松竹(京都)
  阪神(兵庫県西宮)、広島、大洋(山口県下関)
 パ・リーグ
  毎日(東京)、大映(東京)、東急(東京)、近鉄(大阪府)、
  南海(大阪市)、阪急(兵庫県西宮)、西鉄(福岡)

 この後、松竹と大映と大映がそれぞれ、大洋・毎日に吸収合併され、現在の12チーム制に。愛郷心旺盛な市民が必死で守った広島の代わりに、京都の松竹が消滅した格好だ。
 また、東京が多いように思えるが、ほとんどの球団が地方主催試合を実行していた。テレビの放映料を気にする現在とは違い、あくまで入場料が主だった収入だったため、どうしても出稼ぎが必要だったようだ。


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