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自由主義か、社民主義か。

 このまま、選挙までは政治経済ネタで押してやる。
 郵政とか対米対中対アジア外交とか、年金とか地方政策とか言う前に、もう根本の話をしてみたい。
 
 1.金持ちの投資や経済活動に最大限の自由を与える「自由主義」か、
 2.貧乏人の子であろうが、機会の平等を徹底する「社会民主主義(社民主義)」か。

 大雑把にいえば、この二択を迫られる時期にきている。

 敗戦後の日本は、アメリカに外交軍事を任せて経済成長重視で突っ走った。(当のアメリカは別として)外交軍事というのは直接税収増に結びつかない分野だから、これほど都合の良いことはない。結果として、多くの財源を社会保障や教育対策、交通網整備などにまわせた。公共投資をうまくやれば、資金が循環して経済が成長する。いわゆるケインズ理論の実地運用だ。
 ハリケーンに襲われ水没したニューオリンズだが、ブッシュ政権が堤防の増強資金を渋ってなければ防げたという説が強い。金持ちの自由(彼らが望むような外交軍事政策の遂行)を重視しすぎて公共投資を忘れた結果だろうか・・・中日新聞の記事

 ただし、外交や軍事は国や地域の利益や立場を保証するための手段であり、誇りを保つ手段ともいえる。誇りを後回しにして、まず食える国づくりを続けてきたのがここ60年の大方針だ。

 矛盾のきっかけは、この後回しが長すぎたことだろう。
 今も、表向きは「自由主義」内情は「社民主義」という、ねじれ構造が続いている。

 「自由主義」の国アメリカに従う外交政策(ていうか敗戦国として従属)を保持する見返りに、工業製品を売りつけて稼いだ資金を、「社会民主主義」の国内実現に注ぐという構造だ。
 1970年代の時点で、誇りの手段すなわち「独自外交(軍事)方針」を持てる経済力に達していたため、当時の田中角栄・大平正芳両内閣あたりがねじれ構造からの脱却をめざした。前者は中華人民共和国との国交回復と日本列島改造論、後者は環太平洋外交と田園都市構想などがこれにあたる。が、いずれも失脚(陰謀説もある)、選挙期間中における本人の急死(あやしい)と、予想外の急変によって挫折している。
 ほかに急死した小渕さんとか、アメリカの方針に従わなかった首相はなぜか任期中に異変が起きて(起こされて)、政権の幕を閉じている。政治家がアメリカを恐れるのも当然だ。

 その後、代々の政治家(や経済人・マスコミetc)はどう押さえつけられたのか、あるいは既存の利権が手放せなかったのか、ねじれ構造からの脱却を渋ってしまった。

 利権といえば、金持ちの代表・トヨタなどがわかりやすい例だ。
 奥田会長などが今も小泉政権を応援するのは当然で、アメリカに工業製品(車)を売りつけて、売るものがないアメリカの貿易赤字を解消するために、日本政府がアメリカ国債を買わされるという、経済循環の真っ只中にいる企業だからである。(もっとも、欧州や中国への販路転換を徐々に図っているため、ソニーなどのような後退現象はない。経営者が賢い証拠だ。トヨタグループが、百万人単位で人を食べさせている事実には脱帽である。)

 と脱却できないうちに、90年代以降、大儲けされていることに気づいたアメリカ財界が、金融その他の分野で猛烈な締め付けをはかり、自国国債の押し売りなども含めて、徹底して見返り(ていうか、取らなかった第二次大戦の賠償金代わり?)を吸い取っていった。
 こうなってしまえば、「社民主義」実現のために回す資金は、国内経済とは関係なく減っていってしまう・・・小泉内閣の郵政(ていうか郵貯・簡保)民営化案はその極端な一例にすぎない。(=一般銀行とは違い、外資の出資規制がない形での民営化。350兆円すべてとはいかないまでも、多くを握られる可能性が高い。国営として預かった金だから、国内循環限定という規制を外す程度なら理解できるのだが…詳細は米国大使館のサイトへ)

 ほんで話を戻すと、今回の選挙は
 「自由主義」と「社会民主主義」のねじれを解消しようとする流れの中にある。

  1.外交軍事上の従属先・米国にならい、国内も「自由主義」に=小泉内閣
  2.米国の要望は置いておき、国内は「社会民主主義」を続ける=亀井系

 矛盾の解消法はこの2点だけか?
 ほかの方法を望む人々には、なんか良い手はないんかいな??
 結局は、アメリカの影響力低下を待つしかないのか???
 
 あ、わかりやすい方法があります。
 影響力を減らしたければ、アメリカの財力そのものを減らせればいい。
 わが国は貴国の国債も買えません。
 わが国の郵貯や簡保も手をつけられる形に変えられません。と。

 そういう選挙結果が出れば・・・・

 ふう。

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