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歴代農相を追い詰めたのはマスコミか?

 もう、誰も農林水産大臣なんてやりたがらないだろう。

 百円単位の事務所費まで突っ込まれたことが過去にあるか?
 大勝した民主党議員のなかにも、千円単位以上の経費利用疑惑を隠している状況はいっぱいあるだろう。

 自殺した(させられた説も…)松岡利勝前々農相と辞任した赤城徳彦前農相の両氏は、いずれも元は農林水産省のキャリア官僚だ。どこかで「お友達採用」と言われているかもしれないが、決してそうではないと思う。さらに厳しくなる食料関係の交渉には専門知識が必要であり、省内事情にも通じた議員を採用したのだろう。
 
 すると、『モノを知っていて邪魔になる農相』が疎まれて狙われたようにも思えてくる。

 スキャンダルや醜聞、女性関係に金銭問題など、あらかじめマイナス情報をストックしておき、疎ましい人間がそのポストに就いたとたんに、一斉に需要家に供給すればよい。供給してもらったマスコミはいやでも報道してくれる。
 悪辣な社であれば、視聴率や部数稼ぎのために攻撃対象がより悪く見える演出をしてくれるから、叩く側としては願ったり叶ったりだ。

 確かに、視聴者からお金をもらっていないマスコミが、視聴者の味方を常にしてくれるとは限らない。それでも良い報道をするケースが多いのは、優秀な記者やテレビマンたちが個々の良心で踏ん張っているからだ。
 が、踏ん張りすぎると、彼らも攻撃の対象となる。

 今年に入って疑わしい事例は、4月5日に発生した読売新聞石井記者の変死事件があげられる。
 石井記者は総務省の担当で、竹中大臣時代の政策を批判して小泉・安倍政権の暗部をあぶり出そうとしていたそうだ。もし彼の取材活動を疎む勢力の仕業だとしたら…いや実際はそうではなくても、新聞記者たちの安倍政権への憎しみは募るばかりであろう。

 これが今回の選挙結果の遠因かもしれない。
 マスコミの安倍政権に対する嫌悪感に油を注いだような。


 いずれにせよ、安倍首相はマスコミ対策がど下手だ。

 小泉前首相のように「明るい壊し屋」を演じるのは難しいが、批判を受け続けるマジメな旧勢力代表のイメージを和らげることはできたはずだ。冷酷だが、小泉前首相がやったように、自分ではなく閣僚の一人に悪評の十字架を背負ってもらうとか。

 あ、二代続けて農相が叩かれたから難しいよな。。
 先代が「自殺」だから、それ以上のインパクトはなかなか・・・


 対する民主党・小沢代表は自分のキャラが明るくないのを承知しているらしい。

 年金問題では、小沢代表ではなく、厚生系の問題に明るい長妻昭代議士やわが郷里選出の山井和則代議士が、一般大衆の共感を呼ぶ口調で矛盾を訴えかける。
 対して自民党側はマジメなんだけど、突きつけられた過失がたとえ小さなものであっても、堂々と出来なかった。

 雰囲気負けしたというのか、年金爆弾を出す時期を参院選前に合わせてきた民主党の勝ちだった。おかげで民主党が持つ他の失点が見えなくなり、自民党は数百円の事務所費でもネタになったから。


 そのうち、マスコミや国民ににらまれない選挙資金を出す勢力のいいなりになる議員が増えるだろう。
 あるいは、まったく別の分野で有名になった人物が、宣伝資金を使うことなく当選するケースが増えるだろう。(いわゆるタレント議員)

 うーん、金がかからず知名度だけでやすやすと当選しない選挙制度(北欧のような比例代表重視とか)にするか、それができないなら選挙を止めるか・・・

 
 矛盾に満ちている。
 涙を流しながら、報道を続けているマスコミ関係者も多いはずだ。

 記者クラブそのほか、慣習的な自主規制の厚い壁。
 脊髄反射のように、政権側を叩く体質。
 たぶん、民主党が与党になっても些細なことから叩かれるのだろう。
 
 まあ、
 メディアの体制が多少ゆがもうが、
 情報の受け手側が簡単に流されなければ、それでいいのだが。

 やっぱ、マスコミよりネットかな・・・


参考リンク:

 読売新聞記者変死を伝えないメディアと事件性(ブログ)
 →総務省と戦っていた新聞記者の最期は?

 安倍政権の倒閣を企てた官僚たちの二重クーデター(nikkeiBPnet)
 →社会保険庁官僚が年金問題を自らリークしたのはなぜ?

 参議院選挙の簡単な総括(ブログ)
 →外政重視の安倍政権と、まず内政を考える国民との意識乖離。

 

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コメント

TBありがとうございます。

マスコミの使い方が下手なのは、仰る通りだと思います。ただ、マスコミの方も、小泉政権時には、うまく使われた感があるのでしょうね。

芸能スキャンダルと政治的な話題が同列に語られてしまう、日本の状況に、海外の友人などは、非常に不思議がってますが、それが良くも、悪くも日本的だと思いますが。

ご存じの通り、マスコミ関係者にせよ、ジャーナリストにせよ、これ以上はというラインがいくつも存在します。記者クラブや、政治部から、飛ばされる程度ならまだしも、活動自体が行えなくなることもあります。

マスコミ・メディア自体も問題を抱えてはいるのですが、いかに、その独立性を担保していけるか、これは、今後の課題ですね。

TBありがとうございました。

投稿: forrestal | 2007/08/03 21:59

>forrestalさん

お返しのコメントありがとうございます。

民主大勝の要因は、結構地道な活動にもあると聞きます。
例えば官僚づきあいを固めて社会保険庁からのリークを引き出したりとか、あるいは長年の自民党地盤である農協系を回って、農業改革案について意見を聞いて回ったりとか。

今回は、政権を奪ろうとする真の意味での野党戦術も功を奏したというべきでしょうか。
この野党戦術がしっかりしてない限り、マスコミの効果だけで選挙の結果が出てしまうことになりますからね。

またよろしくお願いします。

投稿: こんだぃ=筆者 | 2007/08/11 09:48

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