全然大丈夫?な恋愛観
『木村佳乃はかわいかったけど。。』
『どうしたの?』
『なんかさ、ハッピーエンドってのが気に入らなくって…』
映画のパンフを買おうかどうかと考えている横で、女性二人の会話が聞こえてくる。
では、私の印象を一言で表してみる。
「納得いく顛末やなあ」
映画「全然大丈夫」は、荒川良々を主役とすべく、彼が所属する「大人計画」などで短編映画を扱ってきた藤田容介監督が脚本から作り上げた。
古書店の息子なのに跡を継ぐ気も(甲斐性も)なく、お化け屋敷を立てる夢を抱き続ける29歳の青年・遠山照男をとりまく物語である。荒川良々ならでは?の少しブラックだけど笑える雰囲気が、全編にわたって繰り広げられる。
といっても、話の展開における主役は同級生の小森久信(岡田義徳)かもしれず、それ以上に木村佳乃扮する"超"不器用な画家・木下あかりかもしれない。
久信の勤める清掃会社にバイトに来たあかりは、信じられない不器用さでミスを連発して辞める。彼女の生活を心配した久信は、照男の古書店を紹介した。
で、幼馴染同士の恋争いが始まるわけだが、彼女の心は遠山古書店の常連客である文化財修復職人の湯原(田中直樹・ココリコ)に向いてゆく。
あかりと湯原が仲良くなっていく、絵描きしりとりのシーンがほんわりとしていて、今度やってみたくなった。
芸術肌同士らしい、睦まじさがうかがえる…
この展開に、あまりにも素直な恋愛観(藤田監督の?)に気づかされた。
人は自分と似た価値観、あるいは似たフィールド(生活環境)の異性のほうが上手くやれる。
違った価値観と環境を結びつけるのは、夢がないけど経済力とか宗教とかそれ以上の猛烈な愛情ということになるだろうか。
30歳を越してしまっている俺は、照男君や久信君と同じかもしれない。
いまだに、違う価値観やフィールドの人を追っている節が残っている。
…昔に比べれば収まってはいるけど、そろそろやめよう。
これから、もっと己の方向性を見据えて、
「こんな俺でも良えんか?」「こんな私でもいいの?」ではなく、
ああちょうど良えわ。
とお互いが思えるような、人間関係を。
今まで以上に。
『私って、性格ひねてるのかなあ。』
ハッピーエンドで飽き足らない女性は、言葉を付け足した。
『不幸は蜜の味』の原則はいつまでたっても変わらない。いや、間違いなく俺より若いのだろう、不幸を見る刺激を求めるということは、それだけ幸せを引き寄せる激しさも多いはずだ。
帰りに地下鉄大江戸線で読んだ情報誌でも「脳は適度な刺激が必要」と茂木健一郎先生も言うてはったことやし。(その意味では違った価値観やフィールドを持つ男女の付き合いはプラスだが、刺激ばかり与えられた脳は当然ながら疲れてしまう。)
と勝手な解釈をするより、まず己のことから始めんとなあ。
うーん。
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