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人間という動物が、自らの生息環境を保持する方法について。(通り魔事件とカンバン方式)

 以外と語られない、この重要な問題。

 すでに日本では人口が減少しているように、地球における「ヒト」の個体数は飽和に近づいている。一人あたりの食物確保量は限界が見えてきた。飛躍的な文明の発展がない限りは。

 寒冷化というトレンド(傾向)も観測されている以上、この問題に比べれば温暖化の課題が小さく見えてしまう。
 食物以前に水も足りない。炭酸ガスがどうのこうの、燃料が足りない、と言っている場合ではなくなってきている。

 だが、あまり心配しなくては良いのではという見解もある。
 それは最後に触れるとして、最近の事件から思いつくままに書いてみる。

 トヨタ、「カイゼン」に残業代 業務と認定、来月から(朝日新聞)
 トヨタ、QC活動の残業代全額支払いへ(日本経済新聞)
 トヨタQC「業務」認定 残業代支給 流れ加速へ(中日新聞)

 驚いたことに…いや、私にとっては、トヨタはさもありなん。と思わせるニュースだった。トヨタだけでなく、特に戦後の成長を支えた大企業に良くある光景だろう。(幸い、我が勤め先はこれに当てはまらない。お客様ほか、周囲に感謝)

 以前にも書いたが、ある人材系大手に勤める先輩が、『人は「あこがれ」があれば働ける。』と言っていたのを思い出した。
 世界一のクルマ会社になろう!の目標とあこがれがあったトヨタであれば、残業代のないQC(カイゼン)活動など言われなくてもやる社員がいたのだろう。

 が、無給で自発的とされるQC活動の時間も、過労死に至る労働時間として認定される(名古屋地裁)。既に上に居るか、体力精力がある方々以外は不幸になるこの風習を、さすがに断ち切らざるを得なくなってきたようだ。

 下を弱らせ、上層部に参入する数を制限するという発想。
 「出世の抑制」は、全ての組織に何がしかの形で存在する。

 利点としては、全員が発言力を持って混乱することを防いだりとか、全体を見渡せない上位者の出現を阻むなどの効果があげられる。
 大半の組織は、これを目的として抑制機能を働かせているはずだ。

 が、無給QC活動と言う発想・文化は、表題に挙げた「生息環境を保持する方法」の一種だろう。
 すでに上に居るものにとっては、収入水準の維持に直結するからだ。

 体力と発想力を無償で絞りとっておき、その結果として心身を病んだり、辞めたりすれば、幹部社員になる人間が減るわけだから、自然と高収入者の密度が減る。
 つまり、高収入者という動物の一人当たりの収入源は大きくなる。サルやライオンのボスが二番手以下を屈服させて動けなくするように、まさに自然界と同じ仕組みだ。

 無給QC活動以外にも、もっとわかりやすい生息環境保持システムの例がある。

 …またトヨタ系になるが、カンバン方式(Just In Time)がそうらしい。
 (トヨタ系に悪意はないです、たまたまです。)

 必要な時にだけ、部品や労働力を調達して、要らない時は持たない。在庫や人材維持費などの生産や販売に直結しない経費が発生する心配がないから、必然的に利益効率は上がる。
 その労働力調整として使われているのが、派遣社員制度だ。正社員の数分の一の給料で(短期間の場合は正社員より高い場合もあるようだが)、重労働をこなし、アルバイトでもない常勤労働者なのに突発解雇の可能性を背負いながら働く身分である。

 そう、あの秋葉原通り魔事件に話は直結する・・・
 加藤容疑者はトヨタ系関東自動車工業に派遣されていた労働者で、ほかの同僚を含めて解雇直前の状況だったと言う。(彼が狙い撃ちにされたわけではなく、作業服の紛失を取り上げと誤認するなどで、そう思い込んだらしい。)
 加藤容疑者、3日前に大声で騒ぐ 秋葉原無差別殺傷(日本経済新聞)

 不特定多数を殺す行為は、なにも支持できないし、許せない。
 が、彼が「生息環境保持システム」の被害者である点は、さすがに同情を寄せたい。

 同僚に聞いた話では電機業界などでも常套手段らしく、ある液晶パネル工場の誘致に成功した町は、千人単位で人口が増えたと思ったらそのほぼ全てが派遣社員だったという。ただでさえ低賃金で消費拡大が見込めない上に、やがて「(高収入層のための)生息環境保持システム」が作動して一括解雇されるのだろうから、定住人口の増加自体も見込めない。当初の目的であった、中長期的な地域振興には繋がらないという状況だ。

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 と思っていたら、ほかのブログや掲示板でも同じような意見が載せられている。
 こういった、「生息環境保持システム」の外におかれた人々の、絶望→狂乱→暴発といったサイクルはこれからも起きるだろう。ネット上では『貧困テロ』といった表現も散見できる。
 →株式日記
貧困テロの恐怖がおんどれらを襲う@トヨタ

 俺は、この逆の立場の人々との付き合いが多いほうだと思う。
 もうそういう状況になって10年が経つが、一度落ちれば這い上がれない「貧困」について話題になったことはまずない。

 当たり前だ。
 よほどの高収入層でなければ、たとえキャリア官僚であったり巨大企業の正社員であったとしても、家族を守るためにも「勝ち組」である己の立場や権利(動物で言う所の「縄張り」やね。)を守るのが精一杯だからだ。もっとも、彼らはその「縄張り」を失った瞬間、自殺せずと社会的な「死」が待っている。
 落ちてゆくのは、元々苦しい生活を続けている人々よりも辛いはずだ・・・
 
 それに、高収入層に参入してそれを保持するには、様々な自由が制約される。嫌な上司であっても同調したり、
たとえ理不尽な経営方針があっても堪えてみたり。逆にトップになったとしても、トラブルの責任や恨みの全てを受けるわけであって、よほどの強心臓でない限り務まり難い。
 仮に生まれながらにしてそうだとしても、乳幼児教育の段階から家財保持の思想を叩き込まれるわけで、人生を選択する楽しみなど、まあ望めない。


 高収入層も辛いのだ。確実に精神的苦痛との戦いが続く。
 つまり、人生は長所と短所、リターンとリスクでプラスマイナスゼロだ。
 絶望することはない。

 自分の環境を肯定して、気楽になることから始めたい。
 ○○を起こすにしても、気や心を安定させて、時期を見てのことだ。

 いや、○○することはおろか、無理に気楽にならなくても、勝手にこの状況は収まるだろう。
 それも、もっとも穏健な形で。

 まず日本の人口が自然と減っていき、いい具合の密度になって、食糧生産も自給しやすくなる。水や燃料等の確保もしやすくなる。
 そうしているうちに、地球上の人口もピークが来て、様々な形でヒトという個体が減っていくだろう。
 ほかの生物と同じように、自業自得という具合に。

 さて、それまで何年かかるんやろか・・・
 私がピンピンしているうちに、傾向がハッキリするとは思うが。

 最後に参考図書の紹介を…

日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト(古田隆彦 著・幻冬舎新書)

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