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知ったかぶりのエリート達

 この百年ほど、学歴の高い人は偉いということになっている。
 エリートと呼ばれる人々のことだが、共通する特徴といえば、ミスを認めたがらない気質と上位者に弱い所だろう。
 わかりやすい例が、上司や先輩の側で知らないことがあった時の対応である。

 大学生就職希望ランキングの上位を占める菓子メーカーでの話だ。(もちろん作り話)

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A健康食品開発課長(K大工学部卒):
 新商品「アンメタボチョコレート」は食物繊維が100mgも含まれておりまして、なによりも脂肪燃焼物質のL-カルニチンが30mgも配合されており、これは業界初です。食品化学研究所からもダイエット効果が証明されました。
 漫才師・ブラックモヨネーズの小杉さんが1ヶ月食べ続けた所、85kgの体重が75kgに減ったとのことです。

A課長の上司・B開発本部長(T大経済学部卒):
 そうか、ありがとう。

A課長:
 毛も生えたらしいです…あっ、すみません、間違えました。
 それより広告部に頼んで、ブラモヨの漫才で「L-カルニチン」を主張するCMやポスターなんか作ると良いかと思います。

B本部長:
 なるほど、資料置いといて。役員会で説明するよ。
 あ、「オモシロクナール」の件もよろしくな。

(A君の心の声:わかってないだろうけど、機嫌いいみたいだし、引き下がろう。)


…役員会

B本部長:
 「アンメタボチョコレート」は、食物繊維のL-カルニチンを含有しており、ダイエット効果が期待できます。
 被験者である漫才師・ナイシの塙さんが1ヶ月食べ続けた所、10kg体重が減りました。

C社長(K大文学部卒):
 B君、よくわかったよ。ありがとう。ナイツの塙君なら面白いな。

B本部長:
 そうです、Aがナイシとカルニチンでキャンペーンを打ったら良いと申しておりました。

C社長:
 ふむ、Aがそない言うてるか。そうしよう。当社もより健康路線を打ち出しからな。

(B本部長の心の声:ホントにわかってるのかな、ナイシが好きで、大学の後輩のAの話が出て気分がいいようだから、ここで引き下がろう。
 

…社長自ら、広告部へ指示

C社長:
 Bも太鼓判を押している、「アンメタボチョコレート」の発売を決定した。
 D君も開発にいたからわかるだろう、カルモチンとナイシでキャンペーンやってくれ。

D広告部長(T理科大卒):
 カルモチンですか!?

C社長:
 そうや、カルモチンや。

(D部長:カルモチンって睡眠薬の名前だぞ…) 

D部長:
 恐れ入りますが、L-カルニチンの間違いじゃないでしょうか。

C社長:
 わしは食物繊維のカルモチンって聞いたぞ。

(D部長:根本から間違ってるよ・泣、またBさんの間違いか。)

D部長:
 いや、やはりそれは脂肪燃焼物質のL-カルニチンです。
 カルモチンじゃなくて、カルニチン、いやカルニチンです。

C社長:
 何回もカルニチン言うてどないする。ええい、わかった。
 かるかん(鹿児島の郷土菓子、さすが業界人。)でも軽石でもなんでもええ。
 ナイシの塙で、おもろい販促キャンペーン作って来い。

D部長:承知いたしました。(あいかわらず、非を認めないんだから…)

(C社長:こいつは黙って修正しといて、「社長そうおっしゃってましたよね」ぐらいの恥かかせん気遣いはできんのかい。それにかるかんと軽石のところで、何でツッコミを入れんのや。相変わらずカタブツやのう。。)


…広告部・D部長からの指示

D部長:
 E君、ナイシ・塙とカルチニンの話だ。漫才協会と話はついているか?

広告部E課長(女子大卒):
 え?ナイシの塙さんですか。あの方はそんなに太っていないんじゃ…

D部長:
 塙さんは若いながら協会の理事でもある。内海圭子師匠ほか浅草芸人への根回しも忘れないように。

(E課長:絶対にナイシじゃないわよ…)

E課長:
 あ、あの、健康開発課のAさんから有名人の被験者が欲しいと言われたので、
 浅草じゃなくて関西出身でブラモヨの小杉さんを紹介したんですけど、
 それが塙さんに代わったということですか?

D部長:
 え、えっ、小杉さんは「ケガハエールクッキー」じゃなかったのか?あれ?

(D部長:いまさら開発に確認取るのも嫌だしなあ・・・E君にしてもらうか)

D部長:
 じゃあ、Aに確認取ってから進めてくれ。

E課長:
 わかりました。

(E課長:でも、圭子師匠は「アンメタボチョコ」がお好きというのは、受けるかも…)

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 結局、ミスは防がれたが、規模が大きな企業すなわちエリートが多いとされる集団ほど起きる話だろう。あくまでエリートは独創や自発的思考より、模範解答を得ることが望まれる。上位の気分を害するのはご法度だ。

 せめて、話す内容を減らしつつもうまく要約されていれば良いのだが、それどころか伝言ゲームに失敗している。C社長までの3人は体面を恐れて聞き返していない。まさに「知ったかぶり」である。
 じつはD部長、正直でなものだから、理系出身なのに開発本部長代理から広告部長に左遷的人事?をされたらしい。いちいちマジメに指摘する姿がB開発本部長から煙たがられたようで、それもあって、B本部長に実験した芸人を確認しなかったのだろう。D部長のような理性的な人物でさえ、感情に左右される。

 おそらく、知ったかぶりの積み重ねが企業や団体をゆっくりと衰えさせる。存在を認められさえしなかったミスは、成功の種になることもなく、これまでの実績をも食いつぶす。
 素直に失敗に気づいて、謝るなり人に聞くなり、あるいは任せればいいのだが、そうはいかないのだろう。
 とにかく今の立場や収入は捨てたくない。受験戦争や社内競争で勝ち残って保ち続けている「あこがれ」を守るだけの意識であれば、その場でごまかすのが人情だ。今の生活が続けられれば良い。少なくとも誰がその情を責めることができるだろう、人間はそれほど理性的ではない。

 であれば、失敗を許す環境を築くのがよいだろう。
 と単純に言えればいいのだが、失敗せずに権力を持ち続けた側としては、失敗者の復活なんて許したくはない。それをお互いに知っているから、失敗を認めず知ったかぶりで逃げようとするのだ。
 エリートとはそういう生き物である。あえて悪い言い方をするが、受験に失敗せず、上位者に嫌われることなく、負けずに残った人々なのだ。たとえば朝まで生テレビに出てくるような偉い方々、田原総一朗先生とか竹中平蔵先生とか、みんなその特性をお持ちである。

 だからこそ、失敗を隠しやすいエリートを締め上げるために政治家とか経営者という存在があるのだが、こうも高学歴のサラリーマン社長や官僚出身の国会議員が増えてしまっては、彼らの知ったかぶり気質を止められなくなるだろう。その点に関して言えば、二世議員や二代目社長のほうがマシかもしれない。。

 株を買うなら創業者による経営か、二世代目以降でもエリート社員がいくら失敗してもつぶれない商売をやってる企業を選ぶこと。
 政治家は、なるべく民間出身者、それも貧乏に耐えられる人か金持ち(つまりワイロに転びにくい)がいい。官僚出身でも若いうちに飛び出した人を選ぶかというところか。
 いずれにせよ、道徳心や責任感がある人がやるのなら、出自は関係ないのだが。。


 以上、漫才協会、内海桂子師匠、ブラックマヨネーズ・小杉竜一氏、ナイツ・塙直之氏とは何の関係もございません。キャラクターをお貸しいただいていること、静かにお礼申し上げます。

 また、当ブログで「オモシロクナール」のご質問は厳禁とさせていただきます。


 


 

 

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コメント

読みにくいですな~(笑)。

まぁ、ミスを認められない、
保身ですねぇ。

自分で稼げないんでしょうね。

投稿: そうたろう | 2009/01/22 01:27

取り急ぎ、見栄えを改善しました。

知ったかエリートであろうと、
自分だけで稼いでると思い込まねば、
まだマシとは思いますけどね(苦笑)

投稿: こんだぃ=筆者 | 2009/01/22 23:24

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