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就活の敵はマスコミか?

 テレビを見る若者が減っている。とはいえ、影響力はまだ大きい。

 『今は、~でなければならない。』
 いわゆる義務感的なブーム、芸人用語で言う所の「空気」は、マスコミを軸として様々な所で作られる。
 その代表例がクリスマスで、デーモン小暮閣下のご苦言を紹介する。
 デーモン閣下の掲示板…11/11付け

*11月になったばかりだというのに、「年末商戦」に向けて、各種店舗では『神の子の生誕を祝う行事』の音楽や便乗売り出しの広告が早くも喧しい。はっきり言って不快だ。少なくとも吾輩はそういう店にはもう行かない。吾輩は以下の点において、不快だ。
(中略)
伍. その日を『金もうけに利用』している企業などの腰ぎんちゃくになって欺瞞行為を煽っているのは、これまたマス・メディアだ。スポンサーが怖いからだ。
こういうことをこういう場で記し続けていると、そのうち吾輩はマス・メディアから干されるのであろう。それもまた一つの生きざま。
 クリスマスを男女もつれ合い(妙な表現だが)のきっかけにするのは、手段の一つとしていいのだが、誰も彼もが『クリスマスまでに相手を見つけなければ』と圧迫感を受けてしまうのは、全くよろしくない。その焦りが冷静な考えが、2人の間のペースを乱し、かえって縁を遠ざけることも少なからずあるだろう。


 就活にしたってそうだ。
 あまりにも危機感を煽りすぎている。
 有象無象の情報に反応する前に、求人倍率の過去データを遡れば、冷静になれるだろう。

 リクルートワークス研究所の調査データより、大卒求人倍率調査の時系列推移をみてほしい。

 抜粋すると、バブル世代の1991年 3月卒が 2.86で、調査以来最悪の2000年 3月卒が 0.99。団塊退職需要の昨年・2009年 3月卒が 2.14、最新の2010年 3月卒が 1.62。
 
 一見すると、また減少傾向かとみえ、マスコミ各位もしっかりと「就職氷河期再来」と煽っている。
 だが、倍率の低下は求人総数の減少というよりも、大卒者の増加に追うところが大きい。1991年卒の大卒民間企業就職希望者数が、29.4万人で、2010年が44.7万人。
 若者人口が減っているということは、大学進学率はもちろん、大学・学部数や定員自体も増え続けている。冷たい言い方だが、大卒の価値が以前より薄まっているのだ。

 新設大学や学部といっても、実務系なら採用時の判断がしやすい。最近の実績でもその傾向が見られ、まだまだ技術系の人材確保をしたいIT業界に情報工学系、団塊世代の大挙引退を受けての学校や介護業界には教育系・福祉系というように、明らかに需要と一致している。

 参考:就職に強い大学・学部はココだ!!―― 東洋経済新報社・就職四季報

 それ以外の学部、特に専門性の実務への効果がわかりにくい文系学部に対しては、人事担当者は難しい見方をしやすい。実際、私が母校の就職企画に出る際に「もし声をかけるなら理系の子に」と、当時の担当者に言われたのを良く覚えている。それから数年が経つが、理工系出身の後輩が数名入社している。

 文系学部といっても、昭和時代からある大学・学部の卒業者における求人倍率はさほどの変化がないだろう。もちろん、OBOGが出身校の枠に応じて後輩を選抜するリクルーター採用や、早慶などの学閥、あるいは銀行一般職などに見られる有名女子大の枠など、封建的な発想の影響は間違いなくある。
 だが、それよりも、伝統大手校ほど学業以外に経験を積む場を見つけやすい傾向が、文系学生の就活を有利にさせている。所属校に規模や伝統があればあるほど、人脈やさまざまなイベントや会合の情報が集まりやすい。さすれば、文系学部の特徴である単位のとりやすさ(筆者もその一人だった)がプラスに転じて、さまざなま人との交流チャンスに代わりやすく、その分だけ人間性がもまれやすくなるからだ。

 私自身、17の頃から校外にでて社会活動を続けているアホで、地元の関西から関東、あるいは中部圏、たまに外国人とさまざまな人々に合う機会を得たが、日本人の多くが、伝統大手校出身・在学中だった。…と思ったら、平成設置の単科系大学でも、その活動に関わる専門性がある所からはしっかり顔を出してくる。
 環境、福祉、農業・・・これからの時代に向けてわざわざ入学したような若者は、所属校の知名度や勢力に関わらずいろいろな所に顔を出してくる。というより、大学の名前が使えないのは織り込み済みだからたくましい。むしろ、伝統大手校で適当にやってる学生のほうが危険だ。

 伝統大手校では、選抜される学生とそうでない学生の差が激しいのかもしれない。
 つい最近、母校の就職企画が終わった後に行われた懇親会のことを思い出した。当然ながら、OBOGの同窓会状態になる。

 私の同期生(食品系勤務)が別の後輩(精密機器系勤務)に、「お前の好みは誰だ?」とけしかけると、後輩が指した先には可愛げな女の子(といったほうが形容として正しいと思う)がいた。さっそく私を含めた三人は話の輪に割り込んでみた。
 文系出身・入社1年目の彼女は合計9社の内定を取ったという。
 売上高1兆円以上の企業だけでも3~4社あり、その中でも今の外資(IT系)を選んだそうで、念のため、「この売国奴が!」と笑いながら言うと、すぐに乗ってくれた。
 
 あ、こういうことか。
 可愛らしくて、多少の悪口にもすぐ乗れる。
 そら、どこの会社も欲しがるわなア。
 能力とか学歴の問題ではない。人間性だ。
 
 いつの間にか近くにいたゼミの後輩(IT系勤務)が、「人事もレベルの高止まりを狙って、(入社辞退されてもいいから)ああいう子に内定を出すんでしょうね」と、誰にでもわかりそうな感想を述べたが、その傾向はより強くなっているかもしれない。特にIT系が文系女子を採ろうとする際は、並み居る技術屋をしっかりとろかすようなキャラクターを望むことだろう。

 お気づきかと思うが、私の母校はいわゆる伝統大手校の端くれで、早慶ほどでないにせよ情報の流通がしっかりしている。ただし、それでも内定9社の彼女は、特例中の特例である。そもそも就職企画にわざわざ顔を出す連中じたいが特例である。毎年5000人以上の学部卒業者を出す中で、この会に来たのは私を含めて120人。1990年代卒以降の卒業生が満遍なく集められたから、対象者全体に占める割合は1%もない。(というか、物好きが集まるだけだが)
 「大きいところはいいですねえ」と、その後の飲み会で某公立大学出身者に言われたが、実際にそういった企画など経験を積めるチャンスを得る人のほうが圧倒的に少ない。

 伝統大手校に入ったからとて、安心してはならない。機会にずかずかと踏む込む度胸がないと、文系学生は埋もれるのがおちだ。この不肖・こんだぃは「高卒で就職しない」以外の目的などないダメな方の文系学生だったから、仕方なく様々なバイトや活動に手を出して学業のサボりを補った。(やっぱり、褒められない)
 私のような右往左往が嫌なら、仮でもいいから目的をもって専門系の学校(※注・大学に限らない)に入るといい。華やかでなくとも粛々とやっていれば、受験偏差値を問わず技量で選ばれやすくなるから。

 その点では、固定のバイトでもやってない学生が、初めて入ったサークルが就職活動系というのは、正直怖い。就活サークルではあくまでノウハウ(学生の質が標準化しているというなら、これも原因?)と情報収集には強いが、人間性そのものを高める質ではないような気がするからだ。
 
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 データの話に戻って、大卒者を除く新規求人倍率となると、ずいぶんと変化が緩やかになる。独立行政法人・統計センターの関連ページより、2.新規求人倍率データをを見ていただければわかる。
 ただし、倍率が 1を下回る年が大卒に比べて多いから、その実態は厳しい。

 というわけで、1990年代初頭と今を比べると以下のような構図が成り立つ。
   
  若年就業者減
  大卒者増(大学学部の新設増)
  大卒者向け求人増
  大卒者以外の求人減
  正規非正規雇用の賃金格差拡大
  大手企業志向の増加

 この状況をコンパクトにまとめた良い記事があった。
 大卒求人倍率、急落の1.62倍 大手企業は0.55倍の狭き門!…日本人材ニュース

 「派遣」の悪いほうの実態が強調して報道されたことが一つ、中小企業にありがちな風通しの悪さや給与や休暇の待遇の低さが、ネットなどを介してより多くの学生の間で知られるようになった現状が一つ。
 『なんとしてでも正社員、できれば大手。』良い派遣も中小企業もあるだろうに、就活生が避けるようになった結果、同士討ちが激しくなっているのが実情ではないだろうか。

 マスコミが若者に良心的であるならば、この辺りを突いて、せっかく民主党政権になったのだから、なんとかしろ、ワークシェアリングを考えろ、大企業有利の資金流通などを改めろと訴えるだろう。が、そうしないのは、小暮閣下のおっしゃるとおり、非正規雇用と偏った資金流通のおかげで潤った企業がスポンサーに居る以上、声高に叫べないのだ。
 なによりマスコミ自身が、製作会社など委託先に低賃金労働を強いることで、利潤を守っているのであり、自らの告発に繋がるようなことを言うはずがない。あるテレビ局から某特殊法人に引き抜かれた知人(31歳)が大幅に年俸が下がったと言うので聞いてみると、それでも700万円台だそうだ。いかに高賃金体質であるかもわかる。だから、テレビ局への就職人気も簡単には下がらない。

 ただし、待遇がよかったり仕事が華やかにみえる会社は、それだけ負荷があることを忘れてはならない。
 たとえば銀行などがそうだ。

 大学別・生涯給料ランキング――1位神戸女学院、2位聖心女子、3位一橋…卒業後の収入で就職力を見る

 女子大が生涯給与のトップクラスに来るのは、先述のように金融系への就職が多くを占めるからだという。確かに、一般職・総合職に関わらず、銀行や保険業は体質的に絶えず若い女性を欲している。窓口や営業で一定以上の女性戦力が必要なことはもちろん、男性行員の結婚相手としての需要もあるからだ。
 先の記事でも書いたが、多く見られる事例としては、同僚との結婚で寿退社した女性行員が家計の手綱をしっかりと握り(金融上がりだから当然だが)、男のほうは家庭を省みること少なく、まことに昭和らしい会社人間と化すという。
 そういう人生もありだし、またよい。マンガのような話だが、メガバンクの現役行員から聞いた話を総合するとそういうことだそうだ。

 だが、専業主婦というより専制主婦をめざす女性は年々減っているのではないか。
 仮に先述の銀行でそのまま高給取りとして残ったとすると、一般職の営業補助などをのぞけば、お局視されるか実は気が弱い男どもから警戒されて、婚期を逃す可能性が高まる。結婚して残る方法をとった場合は、金融系は産休その他、製造業やIT、公務員等で認められるような休暇をとりづらい風習が根強く、いろいろと支障があるだろう。いずれにせよ、キツイ生活か退職の二択を迫られやすい。

 なんにしろ、給与の高い業界というのは、それなりの理由がある。銀行や証券(特に大手)のように保守的で既存権益維持への労力が激しいか、コンサルタントのようにスケジュールが極端で失職のリスクが高かったりする。加えて芸能人やスポーツ選手、政治家などは、公人としての行動制限を受けるから私生活まで不自由を強いられる。
 マスコミぐらいが高給でも負荷が少なそうにみえるが、広告の減少やネットへの移行などに伴い業界自体の縮小が決定的である。通信キャリア→人材系→テレビ局(東京キー局)と渡り歩いた後輩などは、自らを「ラスト・サムライ」となぞらえた。殊勝な男だ。

 就活にも婚活にも忘れてはならないのが、『おいしい話には必ずウラがある』との認識だ。情報に過剰反応せず、理想や夢を持っても空想に走らず、要らざる不安感を持たずに謙虚でいれば、いい道が見つかるはずだ。

 大切なのは、自己分析。それも「やりたい≒ストレスが少ない生き方」を見つけることだ。
 ストレスが少ない生き方が大企業への就職や高給取りとの結婚なら、もちろんそれを目指すべきだろう。


--後で追加--

 次の記事で学生各位向けの就活イベント”「環境」就職・進路相談会”の紹介をさせていただいてます。
 ふるってご参加を。→直接企画案内をご覧になる場合はこちら

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