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社会起業家、忠臣蔵…デフレ時代の良い生き方・死に方とは。

 「近藤さん、オレ将来出世するんだから、驕ってくださいよ」

 大手企業から某ベンチャーに転じた青年が冗談めかす。慶大出身のそこそこイケメン。たぶん、ここまで書けば本人に気づかれるはずだが、それも良し。

 ちなみに私は「社会起業家」という言葉の響きが、なんとなく耳になじまない。新手のカッコつけのようにも思える。だが、あえて、その時代的意義を勝手に考えてみる。 

 その前に社会起業家の定義はこちらがわかりやすいかと。
 ソーシャルエンタープライズの定義…社会起業家ブログ


 タイトルの通り、平成の社会起業家たちと忠臣蔵の元ネタ・元禄赤穂事件との比較から考察したい。
 共通点としては、下記の通りだろう。

 ・経済拡大期が終わろうとする時期(元禄バブル→銀の海外流出、平成バブルの直後)
 ・政治体制が70年ほど安定している。
 ・就職先に不安がある。
 ・何らかの形で「情熱」をみせたい。

 お家取り潰しで集団失職した赤穂浪士と、良くない求人環境に身をおく若者(大学生の増えすぎはここでは触れない)。他にもいろいろあるのだが、現状と現体制への行き詰まり感が、飛躍に結びついたのは間違いない。
 かといって、まだ経済拡大期の記憶はあるわけで、バブリーな活躍は出来ないことは理性でわかっていても、心情がついて行けない。どんな形にしろ華を見せてやりたい…

 浅田次郎は、著作「天切り松」シリーズの中で、男は自ら「俺は男だ」と思い続けなければ男になれないと書いている。
 女は生まれながらにして女とは逆に、男はいたって人工的な存在である。だからこそ、「男らしさ」を外の行動でアピールしたい連中は、いつの時代にだって一定数いるものだ。

 あらためて元禄末と現代を想像してみると、男の活躍の場というのは、どんどん小さくなっている。

 元禄後期(1700年ごろ)
  戦士の舞台→島原の乱が最後(62年前)
  農業の舞台→水利・堆肥など百年にわたる農業技術の進歩が停滞へ
  工業の舞台→農業・繊維系技術を除いては50年ほど変化無し、鉱業生産も下降気味
  商人の舞台→長崎以外鎖国となって80年強
  人口→増加がストップ、2500~3000万人で停滞へ

 平成中期(2005年ごろ)
  戦士の舞台→大東亜(太平洋)戦争が最後(60年前)
  農業の舞台→バラマキと減反政策と公共事業の土地買い上げで骨抜き
  工業の舞台→農業・繊維系技術を除いては50年ほど変化無し、鉱業生産も下降気味
  商人の舞台→通商産業省が貿易指導をして60年弱
  人口→減少へ転換(8000~12000万人の範囲?)

 どちらにもいえるのが、生産力を上げ続けてきたエリート指導方式に、陰りがきていることだ。

 不満を持っていながらも大半の人は、状況の打開は人任せ(選挙で政権交代といっても、厳密には従来エリートのすげ替えに過ぎない)でいいと思っており、腰を上げた後のリスクを重視している。
 が、社会起業家や赤穂浪士の類はそうではない。「討ち死に覚悟で、自力で志を見せてやる」といった情熱が伺える。

 ただし、長らくの泰平によって、いずれの時代の世間も戦争などの血なまぐささを嫌っている。暴発と思われては意味がない。志を示すべく男の花道を生きるぜ!とアピールしたければ、華々しくしつつも荒々しさを限定するのが得策だ。

 赤穂浪士と社会起業家でいうところの、理解を得たい相手と花道の限定策は下記の通りだ。

 赤穂浪士
  理解を得たい相手…世間一般、徳川綱吉(お家再興狙い?)
  花道の限定…主君が仕留め損ねた、吉良上野介義央の首のみを狙う(他に累を及ぼさない)

 社会起業家
  理解を得たい相手…世間一般、投資家たち(資金を…)
  花道の限定…営利企業ながら目線は社会貢献(既存利権とは違う市場)


 ということは、社会起業家は、案外それだけで後世に名を残すかもしれない。様々な人々を、奮い立たせる物語を提供してくれるかもしれない。

 だから、その行動に目的を問うてはならず、
 花道を得たい気持ちがある若者は、素直に走ってもらえばいい。

 止めるのはもってのほか。
 確かに、1990年代からの起業家から見れば、利益一本勝負の企業ではない「甘え」を感じるだろうし、言動の落ち着いた方々から見れば自己顕示欲丸出しと思えることもあるだろう。

 でも、業績の一つでも輝けば、結果に限らず次へと繋がるはずだ。
 赤穂浪士47人が、主君・浅野内匠頭長矩の失敗を帳消しにする活躍で喝采を浴び、多くの武士の襟を正したように。(また、彼らの切腹後、赤穂浅野家は長矩の弟に再興が許され、面目を施すことができた。)

 要は、見守るのが難しくとも暖かく放っておいてやり、
 良い芽が少しでも出れば、協力すればよい。

 …ちと強引かな。

参考記事:
 社会起業家の誤った認識 - 松本孝行…アゴラ
 社会起業家叩き?…Taejunomics
 社会起業家…成毛眞ブログ
 元禄忠臣蔵、なぜ成功したか。 …この国を孫たちに残すのか、(天邪鬼語録)

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