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「マイホーム」「マイカー」のない幸せ、下手に借金しない幸せ。社会問題も解決?

 以前からずっと思っていたことだが、やっと専門家による近いご意見を見つけた。

 200年住宅法で思うこと…半田典久氏・サイト「住宅ローンの殿堂」より

これからの変化の大きい時代には、もう「マイホーム」は向かないのかもしれません。

結婚あり、離婚あり、結婚しない人あり、子供がいないDINKSあり、転職あり、転勤あり、老夫婦あり、介護あり、・・夫婦と子供2人の親子4人が標準世帯と言われていた時代ではなくなりました。そして、昨年秋の「リーマンショック」に端を発して、リストラなどの『サラリーマンショック』が急に始まるなど、いろいろなことが起こる激変の時代には、変化に耐えられる「軽装備」が最適です。

車も昔はコストがかかる「マイカー」が当たり前でしたが、いまや必要なときだけ使うコストの掛からない「カーシェアリング」が伸びており、その他の分野でも「所有より利用の時代」へと移っています。

考えてみれば、今までは「住宅」に対して、あまりに関心と資金の比重を置きすぎていたのかもしれません。
「物件はいつが買い時」かとか「ローン金利は最低かどうか」とか、一時の決断の良し悪しだけで、後で環境変化に対応が難しくなるという、あまりに大きな「もの」を背負ってしまっていたかもしれません。

 非常に納得だ。大きいけど交通の便が悪かったり、都心だけど日当たりが悪すぎる家など、いったん所有すると融通が利かない。持ち家主義だけでなく、賢く借り続ける選択肢をも上等と考えてもいいのではないだろうか。

 ある友人。新婚の妻は専業主婦だが、最近になって、持ち家を要望してきたらしい。友人に新たな縛りが増えたことに不安を感じた。
 確かに、彼の見かけの給与は高めだが、固定額の年俸制であり各種手当てもなく、業務の性質上から交際費は自腹を迫られる。飲み会の類に誘われる所を、『妻が待ってますから』と逃げられるのは良くて数年。結局、中規模企業のサラリーマン並みの可処分所得になるだろう。
 さらに、その職業は数年ごとに必ず失職する仕組みで、固定額の年俸じたいがなくなる恐れすらある。

 つまり、これこれの頭金があって、給料は何年間でこれだけという計算ができない立場だ。

 給与は増えずとも、雇用はある程度保障される大企業のサラリーマンなら、生涯収支の何割なら出せそうだと、引き算の発想で、住宅ローンを組めば問題は少ないだろう。

 「生涯収支」を基礎にした資金計画が住宅ローン勝者への近道…住宅ローン情報ナビ

 当然、その友人が住宅ローンを組むのは、危険でありすぎる。
 もともと、30台半ばまで100万の貯金がなかった男であり、賢い妻のやりくりがあっても、大きなリスクなのは同じだ。

 『だったら、借家で居続けろよ』と私は言うのだが、苦労して結婚した妻の希望、簡単に無視できるものではない。


 そう思うと、世の中の多くのサラリーマンや特に公務員が、既存の仕事や既得権にしがみつく原因が容易にわかってくる。なるべく確実に借金を返すためだ。

 昔の遊郭を思い出した。

 スッキリ売られてきた遊女はまだしも、親に渡した金を遊女となる娘の「借金」とする形となれば、逃げ道はない。
 最初は親や兄弟の貧乏を救うためと覚悟を決めたものの、体を壊して若いうちに死んだ女性がどれぐらいいただだろうか。さらにその後の衣装代や化粧代も遊女自身の借金に上乗せする仕組みまであり、いっそう逃げられない。だったら『上客を捕まえて、騙してでも借金を肩代わりしてもらえ』と、暗黙のうちに、金の貸主でもある廓主に強制される。

 もちろん、サラリーマンの住宅ローンは自分の意思によるものだし、妻が夫に借金を負わせるケースが多い点では、遊郭とは男女の関係が逆転している。
 とはいえ、借金があるから上位の命令に逆らえない、完済するまで既得権や今の仕事場は手放しづらい。という点は同じだ。

 国際的な製造業の某社では、住宅購入をした直後の社員を狙い撃ちにして転勤命令を出す観衆があると聞く。複数の社員から聞いた事実で、借金を背負ったら無理な命令に逆らえない立場を見透かしたやり方だ。

 これと似たことが、公務員の中でも行われているのかもしれない。
 もちろん、借金の不安を防ぐために官舎など福利厚生が用意されてはいるのだが、裏返せば『今逆らえば、安い家賃で住める立場を召し上げるぞ、窓際でも大きく変化のないそこそこ高い給料がなくなるぞ』の脅しが十分に効くだろう。形は変われど、リスクを増やしたくない恐怖に違いはない。

 政治家だって同じで、資金の提供元には逆らえない。一人の国会議員に支給されるのは、議員歳費と経費で4千数百万円、交通費、3人分の秘書給料、東京の議員会館と宿舎。だが、実際にこれだけではまかえないから、別の献金や党からの支援に頼るわけだ。
 金を集められるものが政治家の中で親分となり、資金の出資元に困らない人物ほど既得権にまどわされない政策が考えられるのも当然だ。

 
 「新しい公共」に普天間問題の白紙見直し。元々が金持ちの鳩山前首相と広く薄い集金力のある小沢前幹事長だからこそ、あれだけ自由なことが言えたのだろう。国の内外に限らず、色のついた出資元が見え隠れする各位と比べ物にならないぐらい良かったのに、残念でならない。

 民間企業でいえば借金にはならない出資(株式など)を募っても、その分だけ議決権などの影響力を渡すことになる。出資元から自由になりたければ、大きな部分を自ら出資するか、なんらかの賢さが常に求められる。
 ソフトバンクの孫正義社長は、その辺りをよくお分かりの好例で、借金するなら国内外なら広く借り、確か自社の株式については、拒否権が発生する持分(3分の1以上)を有していたはずだ。


 身代に合わぬ「所有」を目指すなら借金が不可欠になり、貸元や返済金の出元には逆らえなくなる。そこの所のバランスを考えずに行動するのは、実にもったいない話だ。

 狭い借家でいい、レンタカーやカーシェアリングやデリバリーに頼ればいい。借金に追われないだけでなく、資産税や壁や建具の修繕、車検や洗車、駐車場の手配も要らない。生じた余裕は教育など別の目的に使おうとする生き方が、もっと見直されていいだろう。

 できる限り「共有」を生かす生活が未来的だと思うのは、私だけだろうか。

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