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「極論」の使い方。人口減少に明治維新…

 気がつけば、タイガースが敗れたので、前の記事が無意味になってしまった。
 いや、読売巨人もナゴヤドームが苦手だったはずなので、その点では健闘を祈りたい。が、日本シリーズにはどちらかというと中日が出て欲しい。ややこしい感情を抱えてしまっているが、本題に入る。


 私のずっと年上の知人に、どうやって食べているのだろう?と不思議に思う方がいる。
 様々な発言は当を得ていて、『よく言うなぁ』と感心させられる。

 が、非常に面倒なことは、彼が「極論好き」な点である。
 ブラックマヨネーズの吉田が扱うようなネタではなく、本気のそれだ。
 
 1つの例を挙げてみる。


 
 『日本は人口6000万になってしまえばいい』


 この発言の直後、人口減少を嘆くさらに年配の御仁と大論争になり、なぜか若い私が収拾に苦労した。いい経験だが、二度としたくない面倒臭さを感じた。
 

 本人は「アイキャッチ」だといい、趣旨を際立たせたり、話題転換を鮮やかにやるための手法だと言うが、毎度毎度やるものではない。その後の狙いがあってこその話であり、好きだけでやられてはただの荒らし屋だ。

 というわけで、私なりに修正案を考えてみた。


 『(たとえ)人口6000万人になろうとも、日本は楽しいぞ。』


 ぜんぜん色合いが変わってくる。前向きだ。

 もういっちょ。


 『自然が保たれ健康に暮らせるなら、日本の人口は6000万人でいい。』


 条件つきで語ると、冷静さが増す。流行の言葉を使うなら生物多様性の保全というか、無理にエネルギーを使った食糧輸入なしに、日本列島内で食料生産をまかなおうとすると、自然とそのぐらいの人口になるのは容認しよう…といったところか。

 これが、初出のように「6000万人なってしまえ」では、人殺しやなんかのように聞こえてしまい、奥にある意図が伝わらない。

 もちろん、極論を使ったアイキャッチ?に目を引かれる人も少なくない。
 だが、そういった性質の人ばかりが集まった集団が出来上がると、大同小異を競って百家争鳴状態になるのではないだろうか。言い出した本人以上の極論家が出て、さらに暴走することだってある。


 そういえば明治維新は、「極論」で成り立った出来事でもある。

 まず尊王攘夷があげられる。朝廷経由で無理な実行を義務付けられた幕府は困り果て、やがて唱えた者たちの狙い通りに弱っていく。当然、極論を押し付けた側の薩摩藩は薩英戦争で、長州藩も下関戦争で外国船砲撃を実行したが、いずれも大きな被害を受けた。
 その代わり諸外国への賠償金については、幕府に払わせたり、借りて踏み倒すことに成功している。攘夷行為の指示者、つまり日本の軍事指令系統のトップとしての体面を離れては、存在価値そのものを失ってしまう幕府の痛いところをついたやり方だ。

 攘夷が無理と体でわかった薩長両藩は、開国して海外技術を取り入れ、蓄えた力を幕府打倒に集中する方針に転換する。次は「徳川家は絶対悪、全面悪」という極論の展開だ。

 反極論派の代表が、ご存知・坂本龍馬で、薩長を幕府の対抗軸として結びつけたものの、内戦で日本の国力を弱めるのは愚かと大政奉還策を進めた。実は、武士が闘わずして自らの存在を否定すること自体が極論で、龍馬は極論に極論で対抗しようとしたのだ。(実際の推進者は土佐藩参政の後藤象二郎だから、地元の立場を浮上させる意味もあっただろう。)
 おそらく、彼自身は薩長の武力倒幕派に暗殺されたのだろう。ケンカを止めに入った人物が、余ったパワーをもろに受けてやられるのはよくある話である。

 だが、龍馬らの努力は決して無ではなく、江戸城の無血開城は、その意を同じくした(指示の元だった?)勝海舟や英国公使・パークスなどの働きかけで実現した。


 いずれにせよ、極論は自らをも傷つける。
 諸刃の剣だから、よく覚悟してから使うのがいい。


 明治維新が武士が自身の特権を捨てたことで成立したとすれば、
 平成維新なら、官僚自身が特権を捨てれば成立するかもしれない。
 これも極論だ。

 が、実際にやろうとしている官僚を私は知っていて、協力もしている。時期がくれば、この辺りの話も書くつもりでいる。


補足(10/21):
 坂本龍馬暗殺の原因については諸説があり、大政奉還策を表立って推進した後藤象二郎が天寿を全うしたことを思うと、充分に別の理由が考えられます。
 少なくとも、明快な武力倒幕論だった長州藩や、いろは丸事件で多額の賠償金を取られた紀州藩、北海道進出を試みていた龍馬を邪魔と思う勢力(幕府の一部や松前氏?)あたりからは憎まれていた可能性は高いでしょう。いずれにせよ、極論の作用です。

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