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外交、エネルギー、人付き合い。誰しもが損得勘定を迫られるのだ。

<2010年10月に書いたものですが、東日本大震災後に通じる内容ですので、しばらくトップに掲示します。>

 だいぶ前、投票日を過ぎても選挙スタッフへのバイト代(法律上認められている)の支払いがなかったことを指摘された候補者が、『金のことを言うな』と大声をあげて周囲に引かれたとの話を聞いた。

 日本のいいところでもあるのだけど、「損得を口にするな」といった風潮がある。
 だが、長所と短所を比較して、「これだけの得があるから、この程度の損は良しとしよう」といった判断は、いつ、どこにでもあるはずだ。先述の選挙スタッフはほとんどが大学生で、事務局長として動いていた別の大学生から「バイト」として誘われたといい、彼らの多くはバイト代と労苦を天秤にかけて集まったに違いない。投票日を過ぎてもバイト代が出ないとは、夢想だにしなかっただろう。

 仮に「金のことを言わない」もとい「悪い話はしない」という美徳を貫くにしても、それは表向きのこと。やはり危険性やリスクを説明したうえで、判断してもらうのが大昔からのスジではないだろうか。

 ちょっと前、私がTwitterに書いた内容を載せる。

「米国はヤクザっぽいことも言うて来るけど、中国よりはいいから親しくする」とか、「原子力発電は放射性廃棄物は出るわなんやで危ないが、こんな利点があるから使おう」とか、その辺の納得が多数に浸透してるかどうかってことです。損得を容認できるかどうか。

「損得を容認」は、外交や原発などのエネルギーに限らず、暮らしの場面でもある。人の一生なら、普段の買い物、進学先や就職先の決定、人付き合いに結婚、色々ある。ただ、右肩上がりの時代よりは、間違いなく戦略性と待ちの覚悟が要求される。そんな感じ。

 当然ながら、いいことばかりの話なんて何もない。
 上の話題の対比としては、地球市民発想や太陽光発電・原子力でも核融合発電などがあげられるが、いずれにしても何らかの危険性や問題点があるだろう。

 そのあたりをマスコミがうまく解説なり報道してくれればいいのだが、小沢嫌いの勢いが全て菅政権叩きに向いている感がある。反小沢の筋を通すなら、反中行為の典型、10月2日に行われた渋谷の尖閣諸島侵略糾弾デモあたりを盛り上げればよかったのだが、取引上で中国を刺激したくないスポンサーを気遣ってか、ほとんど取り上げられなかった。

 まさに損得勘定で、「どれを扱っておけば安全か」で判断をしているようだ。CSRもへったくれもないというか、元々そういうものだ。広告収入に頼っている以上、政界以上に経済界の意向を無視できるはずがない。
 池上彰先生のわかりやすい解説にしても、スポンサーの許容範囲を越えた内容には出来ないだろう。視聴者や読者に一度嫌われても、この厳しい情報を今知っておけばいい。みたいな度胸はもう昔話だ。特にテレビは無料の娯楽情報提供ツールと割り切って楽しめば良い…

 結局のところ、メリットとリスクの天秤は自分で持つしかない。
 既存のマスコミとか大本営発表を介さずに、やるほうが早い。

 他人の判断に任せられた経済成長期はすでに終わった。世界的にみても終わりつつある。吉田茂以来の「アメリカには負けておけ」外交と、通産省を始めとする中央官僚の貿易戦略に乗っかっていたら日本全体が儲ったのは、ずいぶん昔の話だ。電力会社だって、地域別独占型になってせいぜい60年。何が起きるかわからない。
 単純に大企業社員や地方公務員になれば安全だと善人面していたら、しっかり足元をすくわれる。というかすくわれてしまえ。そのほうが、救われるだろう。

 少なくとも次の経済成長サイクルまでは、戦略的にリスクを受け入れる判断が、誰しもに迫られる。

 まず、広告に左右されないようなネット記事や出版物で、だいたいの情報を収集・交換する。興味が持てる状況になってくれば、直接に専門家と話せばよい。外交問題はともかくエネルギー問題なら、売電送電などの自由化がさらに進み、自前の発電装置を簡単に持てる時代がすぐに来るだろうから、今のうちに接しておいて損はない。

 最後に原発ネタのイベントを紹介。

1. 双方向シンポジウム「どうする高レベル放射性廃棄物」
 慎重派と推進派が登壇して、両側の見解に接する機会。
 テーマを決めるためにご意見・ご質問を募集中とのこと。上記リンク先にて。
…東京では2月までに開催としか決まってないが、筆者は参加するつもり。

2. 放射性廃棄物ワークショップ 共に語ろう 電気のごみ
 専門家の講義のあと、ワークショップという形式で賛否両論が交わされる。
 原発・電力関係者おろか、反対派を含めて多数来場。


 担当者から直々に宣伝してくれといわれたので、載せた。…われながら、正直な。

 当の資源エネルギー庁が高レベル放射性廃棄物の処分に困り果てており、だったらイチからさらけ出すの覚悟らしい。過去に地層処分の調査受け入れを表明した町長がリコールにあうなど、いわくつきの話題だ。
 まさに、メリットとリスクの両方が専門家から提示されるいい機会なので、ぜひお勧めする。 

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コメント

27万で買ってもらった
http://p3l4axp.zet.g-killing.net/

投稿: マイルド | 2010/10/09 00:01

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