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正社員が減って、自民が堅調いや躍進?(2014総選挙)

「自民300議席超」との記事が、各紙で見かけられた。

それぞれの世論調査による議席獲得予想だが、少し考えれば意外ではない。投票先の縛りがなくなった人が増えただけで、言い換えれば、労働組合に属する人が減っている。いわゆる連合(日本労働組合総連合会)傘下の構成員が減ることは、民主党の得票減に直結するわけで、いくら大義なき解散といわれようが、自公政権に打撃を与えるまでには至らない可能性がある。

厚生労働省による「労働組合基礎調査」をみても、組合員数が減り続けている。2003年には1053万人いたのが昨2013年には987万人となり、その間も組合数・組合員数ともに増えた年がない。一見この程度の差かと思われがちだが、10年で減った66万人を295の小選挙区で割っても2200人。その家族や知人まで含めると3~4000票にはなるだろうから大きい。さらに、労働組合のある会社は都市圏に集中しており、得票の大半を労組関係に頼ってきた候補者にとっては大きな変化だ。

そもそも、労働組合に入る条件が「正社員」「正職員」であるケースがいまだに多いのも、時代錯誤だろう。
正規雇用はあくまで民間の習慣であって、戦前には制度すらなかった。それが「雇用期間の定めがない従業者」として、法的にも位置づけられるようになり、気がつけば一種の特権階級化した。
誰でも正規雇用を受けられる機運があった20世紀末まではまだ良かったが、先進国・日本が真っ先に世界的な高度成長期から脱したここ10年となると、話が違う。各企業が正規の従業者向けとして義務付けられた各種保険の加入などの負担を嫌い、あらた人手は極力派遣や外注に頼るようになった。

すると、一部の方々が正規雇用にしがみつく姿が、若者を中心に反感の対象となりつつある。親世代の雇用を守るために、若者の雇用が減る。そらそうだ。よく小泉竹中政権が派遣労働の対象を拡大したことが原因だといわれるが、あれは後追いの改革だったともいえる。彼らが叩かれるべきは、むしろ正規被雇用者の特権を見直さなかったことのほうだろう。

公務員だけでなく民間企業にまで福利厚生を義務付けた体制が、おかしくなってきている。
個人事業ならともかく、従業員の私生活まで担保する会社のほうが珍しかったのが、トヨタやパナソニックならやりそうな大家族主義を全ての企業にやらせたことから、話はややこしくなった。あの企業は社会保険がない代わりに定年がないとか、ボーナスはないけど週4日だけ働けばいいとか、個々が選べばいいものを均質化してしまったから、「正社員なら何とかなる」の幻想が染み付いてしまったのだ。そして雇用まで守られた正社員・正職員の少ない数が、知らずのうちに甘えてしまったのが現状である。

ましてやホワイト企業の正社員などは、自ら所属組織の外をしっかり知っておかねば、退職後は何も出来なくなる。大手銀行では、45歳以上を対象に「黄昏(たそがれ)研修」を始めたという。まさに人生の終わり際をどう生きるかの講義が行われるという。給料を下げても関係会社への出向や転籍によって雇用を守ってきたものだが、それすらできなくなった。あるいは大幅な技術革新がみられず借りる目的も減ってきた昨今、もと銀行員を受け入れたい企業は減っている。終身雇用、いわゆる定年まで正社員というルートは崩れ去っている。
20世紀後半だけの常識だったから当然の成り行きだが、馴れというものは怖い。正社員・正職員以外の選択肢が少なかった先輩に対し同情を覚えるものの、「しがみつきたい幻想」から救い出すのは困難だ。サラリーマンというもの、限られた立場や枠の中でしっかり仕事をするから、給与が保証される存在である。小企業や活動団体は、「ご自身でやる事をみつけてください」といった動きが求められる以上、ボランティア的発想のできない人材は邪魔以外のなにものでもない。

一方、「正規雇用絶対」の呪縛から離れている人にとっては、明るい話が増えていくだろう。
ボランティア的な活躍の場は、いやというほどある。安定収入には直結しないので当面は厳しいが、サラリーマン時代に比べ生活経費がずいぶんと安くなった。縛りがなくなり、さらに発想転換できたのだ。素直に食料や必需品をもらえたり、部屋をシェアしたりなど、枚挙にいとまがない。

個人や地域の繋がりを重視して生きる人が増え、政治に頼らなくなっていく。
反比例して、企業や団体を通じた機械的な社会保障を当然としていた政党は票が減る。

日本語でいう民主主義(実質的には選挙による代議制)が、一時的かもしれないが自民党に味方をはじめているのかもしれない。だから、私はバランスをとって自民党には入れないようにしよう。って、なんのこっちゃ。


参考記事:
連合はもうそろそろ「組合」そのものの変革を目指したら
他人事じゃない!45歳銀行員「黄昏研修」

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